緋忍伝-呀宇種(ガウス)

第一回「呀宇種(がうす)の巫女」
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 構 成: たかおかよしお
 脚 本: 神原正夫
紅蘭麻から見える満月には、不思議な形の紋様が浮き上がっていた。
「待っていた。この時を……呀宇種の巫女よ」
そして男とも女とも知れぬ不思議な声が聞こえてきた。紅蘭麻にはそれが、紋様から発せられているように思えた。
「あなたは誰?」
その声の主に対して紅蘭麻は話しかけた。
「誰でもない。強いて言うならば、そなたの血から発せられる意志」
「血の意志!?」
紋様が語りかけているとばかり思いこんでいた事と、その意味がよくわからなかったため、紅蘭麻は戸惑ってしまう。
「儀式によってこの声が聞こえしとき、そなたが天女の生まれ変わりであるという証を得る」
再び語りかけられる声。
紅蘭麻はしだいに、この事を以前から知っていたような気がしてきていた。しかも言い伝えのように誰かに耳から聞いたのではなく、体の中から呼び覚まされているような感じであった。
「私が……天女の……、信じられません! 呀宇種の巫女というのはどういう意味なんですか?」
そう言われても、紅蘭麻にはすっきりしない感覚があり、聞かざるをえなかった。体で理解できていても考えの方が追いつかない。という事に似てもどかしかった。
「呀宇種の巫女とは、その呀宇種を持った者を現世に召還できる力を持つ者。地上の者が天女と呼ぶ者。すなわちそなたである」
それを察したかのように、意志という声から語られる。
「呀宇種?」
「呀宇種とは緋王(ひおう)を生み出す男の精」
「男の……」
紅蘭麻はその意味をも理解しかけて、つい頬を染めてしまう。しかしまだ全てに納得できなかったので、再び声に問いかける。
「その、緋王というのは……あっ!?」
しかし自分の言葉が言い終わらないうちに、また意識が別の所に飛んでいく感じがした。
「……こ、これは……どうしたというの? なにが!?」
「恐れるな、呀宇種の巫女よ。そなたが知らなければならないことだ」
意志という声の説明が続けられる。
「緋王とは、この世の全てを無に帰す王。そなたの先祖である巫女は、呀宇種によって緋王を産み出し、この世を無に帰す予定であった……」
「無に返す? どういう事、でここは……どこ、……どこかしら、なんだか……」
さっきまでは意志の声が聞こえていても、池の畔にいる感じがしていたが、今度は全く違う場所にきたようだった。

「……あれ、滝……ではないわ……」
遠くに波のような音が聞こえる。
「…………め……」
「…………」

そしてまた声が聞こえはじめた。
「……ひめ…………」
「ん……んっ」
血の意志という声とは、また別のものだった。
「姫……」
「ぁ、だ、だれ……」
その誰かに呼ばれたている気がして、紅蘭麻は返事をしたつもりだった。しかしその声は、自分のものではないように思えてしまう。
「不思議な感じ……、……んっ!?」
側に人が立っている気配がする。だが池にいるとき側にいたオガルのものでもない。その気配は新たなものに感じられる。
紅蘭麻は閉じていた目をゆっくりと開ける。
「え? …………きゃっ!?」
しばしの間をおいてから、声を上げて目をギュッと閉じるが、それだけでは満足できずに両手で顔を覆った。
その両手も自分のものとは違和感を覚えたのだが、そんな事より見えたモノに驚いてしまった。
紅蘭麻の正面には、男性器と思われるモノが見えたからだ。
指の隙間を少し広げて、今度は薄目を開けて確かめてみる。
「…………あ……」
間違いなかった。
感じていた気配は男性のものであり、あろう事か男性は着物をはだけた半裸であった。
男性の股間にある肉の塊は、以前から想像していたより赤黒く醜悪なモノに見えた。
少しずつ先端の高度が上昇して、幹の部分が太くなっていく。包皮のような部分がめくれて、幹の部分の長さ差が増していくと、残っていた弛みがなくなってきた。さらに反り返っていくと、竿状の部分に血管のような筋が浮き出てくる。
少しくびれた部分の先は張り出し、丸く膨らんだ先端は一カ所で引っ張られているようだ。
すでに蛇の鎌首のようになった先端の、中央にある小さな溝から、テカテカとした透明な液体が浸みだしていた。その液体は幹の部分に溢れ出て、モノ全体に妖しい光沢を加えていく。

十八になったばかりの紅蘭麻には、当然こんな間近で男性器を見た事などない。
だが、昔教えてもらった事を思い出していた。
館でのある日、自身の身体に変化が訪れると、そのことについて乳母たちから、大切な秘め事として教えてもらった事があった。他に下女たちからの情報や、城下の者たちの噂として聞いた事もある。
興味津々という訳ではなかったが、いずれ月影の姫として他家に嫁げば、必ず行われる事だと認識もしていた。
しかしそれらは正しい順番があってこそ、運命を受け入れるものであって、いきなりこの様な状況に置かれる事はないだろう。
紅蘭麻は、血の意志というものが、何をしたいのかわからなくなっていた
「そ、そんなに恥ずかしがるでない……」
目の前の男性から、いきなり声が掛かる。無骨で素朴そうな声だ。
(ぶ、無礼者!!)
紅蘭麻はこの状況を問いただそうと思ってたので、勢いよく叫んだつもりだった。
しかし喉がかすれて声にならない感じだ。おまけに体も思うように動かない。
(なぜ、どうして!?)
そして自分が丸裸だったと思い出す。
(私、何をしているの!?)
そういえば自分は水浴びの途中であり、なにも身につけてはいなかった。だがなぜ今、いきなり、半裸の男性に迫られなければいけないのか?
いつの間にか板間の敷物の上に寝ているのも変だった。
(……見られている)
この男性には全てを見られていた。二つの乳房も、ヘソも、腰の周りも、物心ついてからは異性に見られた事、ましてや触られた事などない、産まれたままの姿を。
今さらながら心臓の鼓動が早まってしまう。とたんに体中から汗をかきはじめた。全ての毛穴が鳥肌立つのがわかる。
どちらかというと色白だった肌だが、今は顔だけでなく体も真っ赤になっているだろう。
さらに下腹の奥、ヘソより少し下の辺りに、何か熱い塊が動き出しているような感じがしてきた。やがて股の間にある自分の秘部に、何かがじんわりと浸みだしてくる。
(ぁはぁ……っ、恥ずかしい……、なんでこんな、ふうに……)

突然男性の手が肩に触れると、全身がビクッと痙攣した。だがその感覚が、頭ではどこか鈍く感じている。熱くなっているからだろうか?
男性の手が腕に移動するにつれ、顔を覆っていた自分の手が外されてしまう。
思わずまた目を閉じるが、抵抗してもさっき思った感覚と一緒で力が入らずに、なぜか自分の思い通りに体が動かない。
「ぁ…………っ」
この声も、やっぱり自分のものではないようだった。おかしいとも思いつつも徐々に目を開ける。
(このお方は……、誰?)
紅蘭麻はこの男性の事を考えた。
筋骨逞しい男性だった。肌の色が焼かれてかなり濃い。少しだけ潮の香りが混じった汗が浮き出ている。
いつか昔に合っていたような感じ、いやもっと後に出会う事になるのか、微かで曖昧な記憶が交差した。
「いくぞ……」
「ぁひっ!」
いきなり下半身が軽くなった。しかしそれで終わらずに、窮屈に体を曲げられてしまう。男性によって腰を持ち上げられ、その勢いで両脚が左右に大きく開かれていたのだ。
考え事をしていたとはいえ、いとも簡単にこんな格好にされてしまったのが悔しい。
閉じようとしてもガッシリとした男性の腕によって、そのままの形に固定されてしまう。
(そ、そなた、あぁっ! やめっ……っ!!)
「ぁあぁっ……、ふぁあぃ……んっ」

自分でははっきりとイヤと言ったつもりだった。しかし口に出したのは、曖昧な返事でもない喘ぎ声だった。
また、この体勢によりあの逞しい男性の分身が見えなくなっていたが、変わりに大胆にも、自分の最も恥ずかしい部分が露わになっている。
(み……みないで!)
しかし、この声も喉から出る事はなかった。
紅蘭麻の秘所は体内から分泌された液体で、もうしっとり潤っている。申し訳程度に生えていた恥毛が秘肉に貼りつき、かえって恥ずかしい。
(わ、私の……こんな風に!?)
当然経験など無いので、秘肉の形は崩れている訳がないが、ここまで足を開いているので、本来なら柔らかな唇によって隠されている部分も、少し開き、中の部分まで見えてしまっているようだ。
見えはしないが、内臓の色に近い綺麗な色艶のヒダに、男性の息づかいがあたるのがわかる。
(ひっ! いやぁ……)
屈辱なその格好に、怒るより情けない感情の方が強くなり、涙がじわりと湧いてくる。
それとは勝手にさらけ出された秘所からも、涙とは別の雫が溢れてきてしまう。
ツンと何かが陰唇を突いたのを感じるまもなく、ざらついた物体が秘裂をかき分けてくる。
「んふぅっっ!!」
その刺激であごが上がり、味わった事のない感覚全身を駆け抜ける。
窮屈な体勢でも懸命に仰け反ろうと、体全体がこわばり、固定された脚がつま先まで痙攣する。本来自由である両腕の方が、肘を曲げ拳を握ったまま固まってしまう。
(なぁぅぁあひっんっ!! ぁな、なにっこれ……)
一度の波がやっと治まり、かろうじて首を傾けて見ると、男性の頭部が股間に被っている。この感覚は男性の舌先だった。
紅蘭麻にとっては、無骨な指で敏感な部分に触れられるより、その方が柔らかく優しい刺激だったのだが、はじめての衝撃には変わりない。
蜜で潤い、体内の熱が籠もった自分の秘所より、男性の少しだけ湿った舌先の方が、冷たく感じられた。
微力だが硬直の溶けた両腕で、男性の頭を押し返そうとするが、舌先が起こしたであろう次の衝撃で、その両腕はぶざまに中を泳いでしまう。
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