緋忍伝-呀宇種(ガウス)

第二回「呀宇種(がうす)の巫女」
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 構 成: たかおかよしお
 脚 本: 神原正夫
その晩は、天に厚く雲が覆い、月も星もいっさい瞬いてはいなかった。
屋根の隅に黒い影が止まっている。その影は二つに分かれたり、また一つになったりして、奥座敷の屋根に向かって移動していく。
それは夜目の利いた者でも、瞬きもせずに目を凝らして見ていないとわからないものであり、一切気配も発してはいないので、見つける事は到底不可能だった。
音も立てず茅葺きの屋根を移動した影は、入母屋破風まで移動すると忽然と消えて無くなった。
もちろん暗い夜の中に黒いモノが消えたのだから、誰も気付く者はいなかった。

天井裏に忍び込んだ楓と桃花は、声を出さずに合図を送りあった。
ただでさえ明かりの差さない天井裏であるのに、闇の中で互いの会話が成り立っている。
(どっちや……)
(…………こっちか)
(微かに聞こえるで)
(行きましょう)
二人は妙な気配を察知して、その方向に移動する。
真っ暗な上に窮屈な体勢にもかかわらず、彼女たちの動きは素早い。
(あそこか……)

まずとても野性的で暴力的な匂いが漂い始める。そして僅かに人の声。人間のような気配だが、一人の声は 呂 ( ろ ) 律 ( れつ ) がはっきりとせずに、言葉として聞こえない。
「ぉお……ぶぁ……」
「ほほほ……、お殿様はまるで 童 ( わらべ ) のようじゃ」
「んう゛ぉんっ……、はぶぅうっっ!!」
「そのように急がなくても、この陀吉尼の乳房は逃げませぬ、ふふふ……」
「……!」

(何という陰の気の強さ……)
(ここか?)
(間違いないわね)
「殿、次は妾に任せて頂きますぞ」
楓が天井板を静かにずらすと、僅かな隙間から灯明の明かりが漏れてくる。
「そうじゃ陀吉尼……、そうじゃ……ぁがっ!」
楓が辺りを警戒し、桃花が下を覗き込む。部屋には二人の人影が蠢くのがわかる。人影は男と女で、その男は既に女の愛欲の罠には嵌っていた。
「ほほほ……どうしたのです殿、また果ててしまわれますぞ」
「そ、そなたのぁぁ……」
「んぐんっ……、んっしゅびゅぅっうぶぶっ……」
裸の大男が、だらしなく脚を広げて横たわっている。後ろに肘をついて、上体を何とか起こしているが、股間を中心として湧き上がった感覚に耐えきれない様子だ。
この男が月影の当主、月影隆盛なのは間違いない。しかしこの姿は紅蘭麻から伝え聞いた通り、かつて持っていた威厳などみじんも感じられなかった。
「んんぐっ…………んっ、ぐぶううっはぁぶんっ!」
となると男の股間にうずくまっているこの女が陀吉尼なのだろう。体の動きからして、男の 股座 ( またぐら ) にあるその逸物を口に含んでいる。
「っじゅびゅりゅうっ……っんんんっ!」
陀吉尼は口いっぱいにそれを頬張って、頭ごと小刻みに動かしている。
「ほぉうぁっぁっ……」
「んんっっ……っぶうぅぅっんっ!!」
喉を鳴らしながらしゃぶりついているその女の姿はとても艶めかしい。反対にしゃぶりつかれている男の方は、口を開け涎を垂らしながら、ただ喘いでいる事しか出来ないようだ。
「んぼぁっ……、ほほほ……童のようなお殿様も、ここは立派な大人じゃのう」
陀吉尼の言葉は、隆盛の体を完全に制圧した自信に満ち溢れている。
(こらぁ……姫様にはちょっと刺激が強すぎるで……)
(ちょっとどころじゃないわよ)
天井裏の二人は固唾を呑んで見守っているしかなかった。
「んっ……、お殿様、こんなのはどうじゃ」
「ぐふぁぁっっっ! ぬうっひっぁぁっ!!」
猛りから口を離した陀吉尼の片手が、隆盛の股座に入り込む。
「ほほほ……殿、また果てまするか?」
「……ふううっひがっ!」
陀吉尼は限界にまで膨らんだ隆盛の陰茎に、唾液を存分に垂らして舌で塗りたくっている。それに男自身の鈴口から溢れる透明な液体が合わさってヌレヌレになり、灯明に照らされ異様な光を反射する。
片手は竿をしごき、もう片方の手は陰嚢を持ってさかんに揉んでいるのだろう。隆盛は体中を振るわせる事しか出来ない様で時々ビクビクと体を波立たせる。
「ほれ、いきますぞ……んんっ、……ちゅくぅうっっ……、んんっっぶうっっ」
裏筋の中程を指で押さえながら、舌先で先端の穴に溜まった液体を舐め取ったかと思うと、カリ首の回りを一周させてから再び頭から口に含む。
「んんくっっっぶっふぅぅうっ! んんじゅぶうんんっ!!」
女の頬に浮き出る凹凸から、唇と歯を巧みに使い分けて甘く噛んだり、舌を絡みつかせて、猛々しく育ったモノを 扱き ( しごき ) 上げているのがわかる。
「……ぅぐはっぁぁっ、だきにっ! っうぁぁっっ!!」
男が仰け反りつつも、ビクッと大きな痙攣をする。陀吉尼は男の状況に構わず、それを喉の一度奥までぐっと銜え込んで、喉全体で扱き上げる。男が迸った熱い粘着の液体を、そのまま飲み込んでいるのだろう。
「んぶはっ……ひぐっ!」
飛び出した分だけでは飽き足らず、絞るように指で陰茎をこね扱いて、管の中にあるものを吸飲する。ズルズルと部屋中に響く音がとても下品だ。全てを吸い取ってから、陀吉尼はやっと口を離した。
「なんとだらしのない。それでも月影の当主とあろうお方か?」
陀吉尼はまだ飽き足らないようで、隆盛の逸物を片手で握ったままだ。
「何度口で出せば気が済みなさるのか、まだこちらのお楽しみが残っておりまするのに」
陀吉尼は自分の股間に片手を伸ばし、自らの割れ目を広げる。すると淫らな唇からトロリとした液体が、もどかしいようにツーッと糸を引いて垂れ出てくる。同時に鼻孔をくすぐる甘い香りが部屋の中に充満する。
(うっ、この香り、いや匂いは!?)
(すごいで、こんな……)
天井の僅かな隙間からも、その香りが進入してくる。
何度放出したのかわからないようなその陰茎は、さすがに萎えかかっていたが、女の言葉とその匂いによって、とたんに勢いを盛り返す。その姿は再びはち切れんばかりに血管を浮き出させて、天井に向かってそそり立つ。
(殿様、立派やないか……)
(ばか、何を言ってるの!)
そう言った楓も、その光景に釘付けだった。明らかにおかしいその膨張っぷりだ。
陀吉尼は素早く隆盛の上に跨ると、己の恥部を隆盛の鼻先につきだす。
「ふふふ……殿、今度は私に御奉仕してくださいませ」
「ぁぁっぁ……」
隆盛は血走った目で必死に首を持ち上げ、懸命に舌を伸ばすが、舌先は僅かに恥毛に触れるだけで、プックリと剥き出しになった肉の真珠に届く事はなかった。
「殿、もっとがんばりなされ、ほほほほ……」
「ぁううっ……、ぁあああ……っ!」
まさにお預けを喰らった赤子のように唸り声を上げる隆盛だったが、彼の体はヒクヒクとうねるだけで、それ以上動く事が出来なかった。
陀吉尼は後ろ手に隆盛の陰茎を握ったまま、挑発行為を繰り返す。
(あかん。完全に術にはまっとるで……)
(なんと……おそろしい)
二人も陀吉尼の術の見事さに舌を巻いていた。
「ほほほ……、それでは今度は、こちらに陽の気を頂きますぞ……」
陀吉尼は、そそり立つ肉柱の真上に腰の位置を移動させた。熟れて花弁の広がりはじめた火処に、剛直の先端を突き立てる。秘肉と合わさった部分から、ジュプリと果汁が分泌される。
「ぅうぉぅ……」
「ここはもう、殿様の好きな具合に充分潤っていまするゆえ……」
そのまま腰を落とすと、自分の秘裂に凶器のような亀頭が突き刺さり、さらに無理やりこじ開けていく。
「はぁふうっっ……っ!」
下の口から進入する肉柱によって押し出されるように、上の口から大きく息を吐く陀吉尼。
エラの張った部分で止まっているのを、さらに腰を下げて進ませる。懸命に飲み込もうと、めいいっぱい秘肉が広がる。
「んんぐはっ! ぁぁっいいわ……大きいのが入りまするぅっんっ!」
ミチミチと音が聞こえるほど広がって、ヌップリとエラの部分を通過する。そして血管の浮き出た竿の部分が飲み込まれていく。
「お肉が……拡がるのがわかりますわぁぁっんんっ、……くはひっ!」
「ぁがぁっっ……」
秘肉を巻き込んだり、また弾力で戻りながら、男の欲望が女の秘洞を進んでいく。すると潤滑油になりきらなかった淫水が、ジュクジュクと隙間から溢れ、隆盛の腰の回りを水浸しにしていく。
「んははっ! まぁっ、巻き込まれて……しまいそうにひっんんっっ!!」
「ぅるぉぉおっ!」
「ふふっ……ぁぁっっんっ!」
言葉では苦しんでいるようだが、その表情は存分に楽しみつつ、隆盛の肉柱を使い自身の淫裂に埋め込ませていく。
(あないに太うなって……、ソコまで入るんか?)
(いやこれは、常識の事ではないわ)
通常なら膣の奥底、子宮口に突きあたる長さまでで止まるところだが、陀吉尼のそこは、膨れあがった陰茎の全てが入りこんだ。そのお腹はポッコリと膨らんでいるのがわかる。
「ぁはああっ! ……んっお殿様のがっ、奥にあたりますぅうわっっ!」
「んごっ……だ、だきに……」
「んんんっ……、ふふふっ……、もうお殿様のモノを入れる事が出来る蜜壺は、私のココしかございませんわ」
余裕の笑みを浮かべて陀吉尼が隆盛に囁く。
「んぉおっ! ぐぁほっうっ!! んっ…………ひはっ!!」
隆盛が無言で頷く動作をしたのが合図に、陀吉尼は自身の腰を動かし、さかんに上下をして隆盛の腰に打ちつける。
「ふぁはぁっ……いかがでござますぅとのっ! 何度もお使いなのに、いつも初めてのような感覚が楽しめますでしょう!?」
パンパンと肉がたてる音に合わせて、ビシャビシャと愛液が飛び散っていく。上体では陀吉尼の乳房が、体の上下に会わせて調子よく跳ね上がる。乳首も突起のように持ち上がったまま、綺麗な軌道を描いている。灯明の明かりだけでは確認しきれないが、陀吉尼の白い肌も桃色に染まっている事だろう。
「んぁぁっんっ……」
だが陀吉尼の淫力旺盛な躍動感に比べて、隆盛はただ陀吉尼のされるがままに横たわっていた。
「んははっっ……どうされましたお殿様。昼間乗馬なさるのはお殿様の方だというのに、夜では私に乗られまするのは、どのようなご気分であらせまするぅ?」
「んんふぉおっ……、はふぉっ……、ぉおっっ……ぁっっ!」
「そうれ、まだ終わりではありませぬ」
陀吉尼の女淫は、内部で自在に変化しており、所々で締めたり、擦り上げたりを繰り返している。
隆盛は陀吉尼の言葉に反応しているのだが、相変わらず涎を流し、ほとんど呻き声になっている。とても常人に耐えられるような代物ではなさそうだ。
(あかん。こりゃ殿様、精どころか魂まで抜き取られてしまうで……)
(ああ……)
見ているだけの上の二人も下からの淫気にあてられ、いつの間にか体が火照り頬が昂揚しているのを感じた。
二人の秘所も衣服に染みるほど濡れてきている。通常の人間なら、今すぐ自分の股間に手を伸ばし秘肉の奥を掻きむしって、ツンツンに尖らせた乳首を爪弾きながら、あられもない声を上げて、回りも気にせず自慰に溺れてしまうだろう。
「……だ……、き……に……ぐぁぁっ!!」
「ほほほっ……、……そろそろでございましょうや。では……全てを飲み干してさし上げますわ」
「ぐはっっ……んっ……っ! んんんくっ!! んんっ!」
陀吉尼が気合を込めると、隆盛がいっそうのうなり声を上げて大きく痙攣した後、がっくりと動かなくなった。
「ぁぁっっんっ……んっ! お殿様の、お殿様の陽の気が! たくさん流れ込んできますぅうっ!」
陀吉尼は膣内で貪欲に隆盛の迸りを受け止めている。
「もそっと! もそっと強う!!」
(この……房中術、危険だわ……)
(このままやと殿様の気が、全て吸い取られてしまう)
隆盛の力はとうに尽きて僅かに息をしているだけようだが、陀吉尼はそれでも飽き足らずに自らの乳房を揉みしだいてさらに快楽を求める。
「んっふぁはぁぁっっ…………んっぐうんっんっんぅっ!!」
遂に陀吉尼が体を弓なりに仰け反らせて、気をやった叫び声を上げた。
(いきましょう)
(はやく姫にしらせんとあかん!)
(これ以上いると、こっちまでおかしくなってしまうわ)
(せやな……)
互いにしとどに濡れてしまった股座に気をとられる事なく、楓と桃花はその場を離れる。影となった二人は、来た時と同じように静かに消え失せていた。
「はぁ…………んっ、んっ……ぅうっ…………」
「お殿様……、今宵のお務めもご苦労様でございました」
そこに残されたのは、やせ細り呼吸する事しか出来ない隆盛と、存分に英気を養った豊満な体の陀吉尼だけになった。
衣服を身につけた陀吉尼は、乱れてしまった隆盛の衣服とその寝具も正す。隆盛の方は徐々に呼吸が落ち着いてくると、それはそのまま寝息に変わっていった。
陀吉尼は隆盛が寝入ったのを見届けると、立ち上がって隣りの部屋に続く襖に手をかける。
襖が開けられる音に混じり、陀吉尼がそっとつぶやく。
「お殿様……他の者に見られながらというのは、いつもより楽しめますなぁ……」
隣の部屋に消える陀吉尼。そのつぶやいた言葉を聞いた者はいなかった。
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